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デバイスの画面幅に合わせて柔軟に見栄えを変える「レスポンシブデザイン」。
PCとモバイルサイトは別URLがいいか?それとも出し分けるのがいいか…という議論の中で、Googleがレスポンシブデザインが最も好ましいと公式に発言しました。
結果、その注目度は一気に上がりました(→ 該当記事)
とは言え、今までのホームページを簡単にレスポンシブにすることはできないせいもあり、また、様子見ムードがあることもあり、それほどレスポンシブ化は進んでいないようです。
しかし、eMaketerが米国を対象に集計したデータを見ると、少なくともメールからの集客が重要なページは、早期にレスポンシブデザイン化が必要なようです。
目次
まとめ:重要なポイント
- 米国の調査結果だが、全体の1/3以上のメールはモバイル端末で開かれている
- まだ対応できていない企業が7割以上を占める
- その結果と一概には言えないが、2年前と比べてメールの「開封率は15%アップ」「メール内のリンククリック率(CTR)は22%ダウンしている」
データの参照元は「Email Marketers Optimize for Mobile – eMarketer」です。
1.モバイルでのメール閲覧率はかなり増えている、そして増えていく
スマートフォンの普及によって、従来PCで見られていたメールをモバイルで見るユーザがかなり増えているようです。
以下は「Mobile email usage statistics – Email marketing consultancy」からの抜粋ですね。
- 90%のスマートフォンユーザがモバイルでもPCでも同じメールアカウントを利用している
- 36%がモバイルで開封され、33%がデスクトップクライアントで、31%がGmailなどのWebメールで開封されている
グラフがあります、ちょっと字が見にくいのですが…
これを見ると、モバイルでの開封が、かなり増加していることが分かります。
2011年の6月には、53%がデスクトップメーラー、29%がWEBメール、モバイルは18%だったのが、2,012年2月に逆転そして今に至っています。
1.2.私の発行しているメルマガも同じような分布
私の発行しているメールマガジンも同じような分布になっています。以下がグラフです。
- iPhoneが全体の30%、iPadが5%、Androidが3%強で、全体で約40%
- GmailはモバイルかPCか分かりませんが17%
- AppleのメールやOutlookなどで25%程度
- 詳細不明が20%
分布としては似たような割合かなと(詳細不明はデスクトップクライアントとWEBメールではと思いますので、案分するとそれくらいかなと思います)
これを考えると
メールはモバイル端末で開封されるのが基本。モバイルファーストで作るべき
といえるのです。
1.3.とは言え、デスクトップクライアントやPCからのWEBメールも大切
とは言え、モバイルだけを考えればいいかというとそこまでのシェアでもありません。
デスクトップもWEBメールも大切です。
ということは、この場合、レスポンシブデザインがとても有効ではないかと考えられます。
メールアドレス事に厳密に見る環境を決めることはできません。同じGmailでもPCかモバイルか、タブレットかは分かりません。振り分けができません。
同じメールを複数の環境で見ることもあります(iPhoneでひとまず見て、会社で改めて見るなど)
とすると、レスポンシブデザインが活躍する場所です。
そして、今の状況を見ると、対応は急務ではないかと考えられます。
1.4.対応できている企業はまだ少ない
eMarketerの調査結果によると、米国の調査結果では
- モバイルに最適化したランディングページやホームページを持っている:32%
- モバイルのメールアドレスについて別途管理できている:25%
- モバイル最適化したメールテンプレートを使っている:22%
- クロスチャネルでのメール/SMSのキャンペーンを行っている:21%
とのことです、日本はもっと対応率は低いのです。
少なくとも以下は取りかかるべきです。
- 送信するメールのモバイル対応(HTML前提でいいかと思います)
- そこから誘導するページのモバイル対応
です。一番簡単なのは対応しているツールやサービスを使うことです。
私もメールをレスポンシブ化してから、サイトへの誘導率は大幅に改善しました(それまでが商売っ気のないメールばっかり送っていたせいもあると思いますが…)
2.開封率は上がっているが、CTRは下がっているというトレンド
対応の遅れを裏付けるような調査結果もあります。
もちろんこれだけが原因とは言えませんが、感覚としてかなり因果関係があるのではという印象です。
これはeMarketerより、メールの開封率とCTRの推移を表したグラフです。
これを見ると
- OpenRate(黒)は、22.4%から26,2%と増加している
- CTR(メール内のリンククリック率)は6.0%から4.7%へと減少している
「モバイル端末での閲覧が増えたと、開封率は増えたが、しかしモバイル最適化されていないために読まれづらく、クリック率が下がっている」ということが、あるのです。
元記事もその様な解釈ですが、追加の資料は特にありません。
3.終わりに
改めて重要な部分をまとめると
- 米国の調査結果だが、全体の1/3以上のメールはモバイル端末で開かれている
- まだ対応できていない企業が7割以上を占める
- その結果と一概には言えないが、2年前と比べてメールの「開封率は15%アップ」「メール内のリンククリック率(CTR)は22%ダウンしている」
という点があります。
これに対して、私たちとしては以下のことをまず手をつけるべきです。
- メールのモバイル対応、HTMLメール化を早期にスタートする(ツールを導入するなり社内でテンプレを作るなり)
- メールクライアントの分布を把握して、それに合わせて見栄えを最適化する
- メールからのコンバージョンの流れで使うページは、レスポンシブデザイン化して、モバイルからのアクセス者のCVRを改善する
HTMLメールは、もはや必須だと感じています。
しかし、開封率などをはじめとしてデータが取れないことの方が、マーケティング的にはマイナスです。PDCAができないので…。
是非導入することをおすすめ致します。業種や売り物によって違いもありますし、英語版ですが便利なツールはありますので興味のあるかたはChatWork無料相談からお問合せ下さい。
モバイルの動向は相変わらず目が離せませんね。
それでは、この記事が、みなさんのメールマーケティングの一助となれば幸いです。
Photo by JaredEarle
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