ペンギンアップデート後の被リンク構築・リンクビルディングについてはこのブログでもいくつか記事を書いてきました。
例えば「ペンギン後の世界で…32のアイディアの種」などはブレストの種として使って頂いたりしているようで、ありがたいです。
Googleがその性能をアップさせていく中で、リンク構築という物のあり方は大きく変わってきました。
では、それはどのように変わっていくのでしょうか、そしてそれならば今後どのように考えて行動していけば良いのでしょうか?
今回はその点について海外サイトTopRankから「7つの哲理」をご紹介します。
目次
前提:ナチュラルリンクという考え方
まず前提として、今後は「ナチュラルリンク」という言葉の意味をまず把握しなければ、中長期的に資産となるリンクビルディングは行えないと考えるべきです。
コンテンツSEOという言葉が象徴する「良い物を作ってリンクが自然に集まるようにする」という考え方が必要です。
なぜなら、Googleは性能を進化させ、自然なリンクとそうでないリンクをかなり正確に識別できるようになっているからです。
この流れの中で、Googleに立ち向かい、イタチごっこをしながらリンクを機械的に意図的に組み上げるのはまさに綱渡り状態。趣味でやる分には良いかもしれませんが、安定して成長をしていかなければいけない「企業」としては、これについていくのは、リスクの方が遙かに大きいですよね。
海外ではもう完全にシフトしている
海外で「リンクビルディング」と言った場合、そこには、バックリンクをどうやって一気に簡単に増やすかといったテクニック論は全くありません。
リンクビルディングのツールという物もいくつかあるのですが、使ってみると
- リンクしてくれそうな先を管理し、やりとりを楽にしてくれるツール
- 競合のバックリンクを調べて、リンクを得られそうなサイト(=機会)を探るツール
など。検索エンジン一括登録!のようなツールではありません。
そうやってコンテンツを作ってナチュラルリンクを得るやり方でないと、今後生き残れないということを表していると言えます(表だってそういったブラックなツールが出回らないだけでもありますが…)
ではいったいどうすればいいのか
そういったパラダイム変化が起きているのが今です。
それに相関しているのか「被リンク」という言葉の検索数も急速に落ち込んでいます。
では仮にパラダイムを変えなければいけないとして、ではこれから、どういう方向でリンク構築を考えれば良いのでしょうか。
今回は、それの参考になりそうなTopRankの記事「被リンク構築を行う時の”7つの哲理”」をご紹介します。
SES Chicago でのセッションを元にした内容のようです。
▼Link Building Tips in a Post-Penguin World #SESCHI
http://www.toprankblog.com/2012/11/7-link-building-philosophies/
ではさっそく、7つの哲理をご紹介してきます。この考え方はとても参考になる物だなと感じました。
被リンク構築を行う時の”7つの哲理”
この“哲理”は、こう考えると資産として中長期的に残るバックリンクを増やしていけるよというものです。
被リンク書く得策を考える際に、この視点を持ち込んで考えて頂くといいのです。
哲理1.「Googleが(検索エンジンが)無かったら、私はそれを行っているだろうか」と考える
もし、検索エンジンという物がなくSEOという概念がなかったら、あなたの行っているその「SEO」は意味がある物でしょうか。
もしそれがNOならば、それは検索エンジンのために行っている物であり、誰かに価値を与えるために行っている物ではないということになります。
Googleはそういったものを評価したいのではなく「受け手が価値を感じる物」を評価するように日々進化しています。
Googleが、検索エンジンが無くなったときに、意味が無くなってしまうコンテンツは、本当に作る必要があるコンテンツなのでしょうか。
哲理2.リレバンシーファースト(関連性・合理性を最優先に考える)
「あなたのキャットフードのページが、脳外科医のフォーラムからリンクされているとして、それをおかしくないと思えるだろうか?」
リンクしてもらう先を探す時の哲理です。
通常、リンクという物は関連しているサイトから貼られる物です。なので、それを前提にして、リンクビルディングを行うことが大切です。
それではいったいどんなサイトが「関連性があるのか」それは、実際に自然とリンクが構築されているサイトなどを見ながら、研究するしかありません。
そういえばこういったサイトならこういうサイトとリンクし合っていてもおかしくないな、Googleは関連性という物を単純な語句の類似性などだけでは無く、もっと深いところで見ていると考えるべきです。ナレッジグラフの導入などはそれに拍車をかけているはずです。
リンクしてくれる人はどこにいるのか?を考えるなら、もしかしたら、お客さんに、「全ての団体や商店がホームページを持っているとしたら、あなたのサイトにリンクしてもらえるのは、どんなところがあると思いますか?」と聞いてしまった方が速いかもしれません。
GoogleはGoogle+ローカルで、地理的な情報も確保しています。全然業種は関係ないけれど同じ商店街のサイトだ、ということをGoogleは感知できるようになるかもしれません。そうしsたら、それも立派な「関連性」ですよね。
哲理3.ホームページの管理人は「人間」だ
リンクして欲しいサイトにアプローチするときの哲理です。
「サイトがサイトにリンクを張るんじゃない、サイトの中の管理人が、他のサイトの管理人を見て「リンクを張っても良いかな」と思うんだ。あくまで人と人とのコミニュケーションだと位言うことを忘れてはいけない」と元記事では述べられています。
往々にして、サイトの後ろ側にいる管理者のことを私たちは忘れがちです。
サイトとサイトのつきあいはとても人間的なつきあいです。相手が自分のサイトに愛着を持ってコツコツと育てているならなおさらです。きちんと人間的なコミニュケーションを取って、ただリンクをはり合うのではなく、人間的にも繋がる。それができれば定期的なリンクはもちろん、それ以上の価値ある関係になれるのです。相互リンクという物は本来そういう物なのかもしれません。
哲理4.とにかく頭脳を使って産み出せ
「最高のコンテンツは自分の頭の中にある。過去の記憶や経験をもとにして、新たな知識を世に出していくこと、これにまさるコンテンツは無い。自分の脳みそが最高の資産だと気づくんだ。」と筆者は述べています。
パンダアップデートが入ってきた事に加えて
- ホームページの数が増えたことで、単純に競合が増えてきた
- 昔から運用されている大規模サイトが非常に強くなってきた(コンテンツボリュームと内部リンク構造、リンクポピュラリティにより)
- 人々が複数キーワード(キーフレーズ)で検索するようになってきた
といったことは把握しておきたいポイントですね。
結果として今は、
- リンクはナチュラルリンクしか意味が無い。ナチュラルリンクを産み出すのはコンテンツ
- まずは見込みのあるロングテール、ミドルのキーワードを洗い出す
- そのキーワードから集客をするために、見込み客や潜在客に喜ばれるコンテンツを作る
- それがリンク構築にも繋がる
哲理5.リンクビルディングはチームで行った方がいい
「リンクビルディングはとても重要な物だ。グループでブレインストーミングやディスカッションなどを行い、いろいろな頭脳を衝突させていくと、素晴らしいアイディアが浮かぶはずだ。」と元記事では述べられています。
ナチュラルリンクを構築できるようなコンテンツを作ると言うことは、とても大変なことです。
コンテンツを作ると言うことを、何かの片手間にできる簡単な作業だろうと考えている方がいれば、それはちょっと違うのではないかと思います。
「新聞のコラムなんて、上手い奴ならささっと書いてるんだろ?」とは思わないですよね。書く以外の仕事の方が多いのがコンテンツクリエーションです。
なので、1人で抱え込まずに、「コンテンツ作成チーム」を作る事をお勧め致します。この時メンバーは、バリューチェーンを網羅しているとベストです。横断的なプロジェクトチームがおすすめです。
哲理6.クチコミという言葉は忘れろ
「自分でクチコミを起こそうとしてはいけない、クチコミは周りの人が起こしてくれる物だ。どうしたら周りの人が自分のコンテンツを拡散してくれるだろうか、どうしたらそれをサポートしてあげられるだろうかを考えることが大切だ。」
この言葉はとても重要だなと感じます。クチコミを起こすために…と考えると、どうしても「えげつなく」なってしまいがちです。
それは恐らく「1人でも多くの」というマス広告的な発想になってしまうからではないかと、個人的には思っています。
「決めたターゲット層に対して、伝えたいことを伝えるためにコンテンツを作る」くらいの考え方がいいのです。SNSは物を売る場所ではなく、売ることを応援してくれる人を作る場所であると同様に。
哲理7.人類をよりよくするために、という考え方を忘れない
「人々を助け、誰かが抱えている問題を解消してくれるような価値を創造すること。そして「For The Better of Mankind」人類をよりよくするために役立つアイディアを世に出していくこと。そういった考え方から出発すると、いいものができる。」
最後の1つと言うことで理想論のようなものになっていますが、究極的にはこういうところに行き着くのかなと思います。
現実としては、もしそれが作れたとしても、それを伝え、実行してもらい、拡散してもらうということを考えると、理想論では語りきれないところがたくさんあるとは思います。ただ、理想はこういうコンテンツを作ることだというのは、頭の片隅に置いておいてもいいのです。
終わりに
かなりとらえどころのないものも多かったと思います。しかし、人々が素直に「価値」を感じてくれるコンテンツを出すためにはこういった考え方をすることが必要なのです。
恐らくGoogleはそれに応えるように、自身を進化させていきます。だとすれば、いずれ大きな資産へと成長するコンテンツは、こういった思想の元に作られたコンテンツなのでは、ないでしょうか。
抽象的な内容でしたが、この記事が何かの参考になれば幸いです。
Photo by quinn.anya
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