
これからは、自分のサイトを守ることがWEB担当者の大きな仕事の一つになるかもしれません。
なぜなら「ネガティブSEO」の脅威が顕在化しているかもしれないからです。もしかしたらあなたが今までにコツコツと積み上げてきたものが、悪意の第三者によって突然崩されてしまうかもしれません。
今回はその「ネガティブSEO」について、そもそも何?ということ、そしてなぜそれが問題になっている?ということ、そしてこれから、どういう「自衛」を行っていかなければいけないのか。その点についてです。
先手を打つことをは重要です。
サイトを守りたい方は、御覧ください。このサイトでも何度か触れていますが、賛否両論あるトピックスです。しかし、大事なことなので改めて書いていきたいと思います。
目次
1.「ペナルティを受ける前に、ウェブマスターは動かなければならない」
これについて、ベースとなる海外記事があります。ケーススタディもあるので、いずれそちらも別途ご紹介しますが、今回は概論部分です。
長い記事なので今回の内容に関わる部分を箇条書きにします。
- 2012年4月にペンギン・アップデートが施行された
- SEOコミニュティではネガティブSEOの可否について議論が行われ始めた。
- つまりは、逆に相手に多数の質の悪いリンクを付けることで順位を下げる、あるいはインデックスから削除できるのではないか、という可能性についての議論だ。
- Googleはリンク否認ツールを提供した。これで大きく改善の可能性が上がった。
- しかし、多くの人は、いざ自分のサイトがペナルティを受けてからようやく動き出している。
- 本当はリンク否認ツールも含めて「ペナルティを受ける前に」使い、動き出すべきなのだ。
一言でいえば「ホームページ運営者は、常に自分の身を守らなければいけない」ということです。
そうしなければ、同記事にアップされている以下のバックリンクグラフのように「突然不自然な量のリンクをつけられて」その結果アクセスダウン、といったことが起こる可能性があります。
※May1(5月)くらいから急にバックリンク数が増えています。自社で何もしていなければ、まずありえない動きです。1万5000以上のリンクが増えているので…(このデータはAhrefsのもの)
そしてこの後、オーガニック検索からのアクセス数は50%ダウンしたそうです。
2.バックリンクの調査といえば、今まではポジティブなものだった
今まではバックリンクの調査といえば、自社についてのポジティブな方向での調査でした、あるいは競合調査でした。
例えば
- 競合のバックリンクを調べることで、自社でもリンクを得られる可能性を探る
- 競合のバックリンクから、競合のビジネスについて理解する一助とする(裏に大きなメディアがあったり、など)
- 自社のバックリンクを調べることで、アクセス解析ツールではわからないリンク元を知る。そしてそこでの言及の仕方を自社のサービス改善に役立てる
- どんなところで自社が露出しているのかを知る、それによって新しい露出先を知る
などなど…一部古典的なリンクビルディングの内容も含まれますが、基本的にポジティブな方向でした。
このサイトで紹介している「リンクビルディング」カテゴリーの記事も、そういったものです。
- 被リンク獲得のための理想的な方法は「相手の心を動かす」こと – WEB戦略ラウンドナップ
- “全文転載”寄稿を行うことで得られるものと失うもの – WEB戦略ラウンドナップ
- ペンギン後の世界でリンクビルディングを考えるための32のアイディアの種 – WEB戦略ラウンドナップ
3.ネガティブSEOができるならば、「監視」と「防衛」の観点が必要に
それが、ネガティブSEOができる可能性が示唆されたと、新たに
- 自社にとって都合が悪いリンクを早めに察知し、必要に応じて対処する
- どこかからネガティブSEOが起きている可能性を見つけたら、
可能なものはできるだけ対応し、その上で可能なら踏み込んだ対応を取る
といった「監視と防衛」を行う必要がでてきてしまった、ということです。
これは理不尽に感じるかもしれません。なんせ、ペンギン・アップデートを導入したのはGoogleであり、それはサイト運営者にとってはどうしようもないこと。そして、そのどうしようもないものをスパマーが悪用すると、何もしていない自分のサイトは危険にさらされるという状況だからです。
つらいところです。
とは言え、文句を言ってもしかたないのが現実です。
では、どうやって「監視」と「防衛」を行っていけばいいのでしょうか?
4.基本は「定期的に」ウェブマスターツールをチェックすること
一番ベーシックなのは、ウェブマスターツールを使うことです。
検索トラフィックの中から「サイトへのリンク」をクリックすると、下図のような表示が出ます。
「このテーブルをダウンロード」すると、Googleが把握している全件が出ます。エクセルで見る場合はCSV、私はブラウザ上で見れたほうが楽なのでGoogleドキュメントに保存しています。
その上で
- リンクをドメイン単位などにまとめて、チェックしていきます。
- ドメイン名だけだとわからないこともあるので、サイトを開いてチェックすることも必要です
5.とは言え大変、なのでおすすめのやり方としては…
とは言え毎回全件チェックをしていたら日が暮れてしまいます。
従いまして、以下のポイントだけざっくり週に1度程度チェックすることをお勧めいたします。
- 件数を比較して、どこかのリンクが急増していないかチェックする(していれば、エクセルなどで差分をとって詳細を見る、危険なリンクだったら、先方に依頼して削除してもらうか、あるいは否認する)
- 見かけない海外TLDドメインや、意味の分からない名前のドメイン(gsfijoewr.comなど)があれば、詳細をチェックする(ドメイン名だけを抜き出してリストに出来るようにエクセルなどを仕込んでおくと速いかなと思います
5.2.サードパーティ製のツールも有用
また、サードパーティ製のツールも有用です。データ元がGoogleではないというマイナス点はありますが、ドメイン単位で自動的にまとめてくれたり、日々の増減を記録してくれたりします。
私の使っているツール(Ahrefs)はモニタリングにも非常に便利です。例えば日時だとこんな感じです。増減のチェックと、増えたリンクを把握してくれています。おかげで怪しい動きにもすぐに対応できています。
Googleは公式にこんな機能はつけないとおもいます、ウェブマスターツールに。なぜならネガティブSEOを認めることになってしまうからです。ポジショントークとしてはGoogleも公式にきちんとした形で認めるわけには行かないのではと思います。
そんな時にサードパーティ製のツールは強いです。縛りもないので、便利な機能を提供してくれます。
終わりに
ネガティブSEOに関しては、その可否から含めてたくさんの議論が戦わされています。
しかし、素直に考えてみれば「できる」と考えざるを得ないと思っています。また、可能性がある以上防衛策を行うのは、WEB担当者としては必要なことではないかと。
- あなたが、怪しい業者から1万のバックリンクパックを買って自社に適用した
- 第三者が、同じ1万のバックリンクパックを買って、あなたのサイトに適用した
この2つを見分けるすべはあるでしょうか。Googleが契約情報を「怪しい業者」に確認しない限り不可能です。
質の悪いリンクは「価値ゼロ」にするという方向でもいいように思いますが、英語圏のスパムは日本語圏とは比べ物にならない凄まじさなので、そのような強い対応が必要です。
ツールでざくざく拾って、一気に何十万とリクエストを送るようなことが行われている世界です、あちらは…。
…
どちらにしても、自衛を行うことをお勧めします。
また、バックリンクを見ることで、ポジティブな発見もあります。自社のバックリンクを見たことがないという方はこの機会に合わせてチェックしてみてはいかがでしょうか。きっと新しい発見があると思います。
この記事がご参考になれば幸いです。
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