RTB(Real Time Bidding)のためのDSP(Demand Side Platform)やSSP(Suppy Side Platform)といった、様々な仕組みによって自動的に広告枠の買い付けなどを行う仕組みのことを、Programmatic MarketPlace あるいはプログラマティック・バイイングなどと呼びます。
この辺りはそれだけで数冊の本が書けるほどですし、このブログでメインで扱う内容とも外れているので、詳細はぜひ他メディアを御覧ください。
今回は、そのプログラマティック・マーケットプレイスに対してよくぶつけられる「品質」の問題について、eMarketerから記事を紹介します。今後恐らくこういった広告形態はシェアを伸ばしていくはず。海外ではTVCMの枠もいずれそうなるんじゃないかなんて言われています。
そのために、今何が問題となっているかを知っておくことはきっと重要。というわけで「Desktop vs. Mobile: Where’s Programmatic Marketplace Quality a Bigger Issue? – eMarketer」をご紹介します。
プログラマティックバイイングの時代に、人々は何を心配しているか?
プログラマティック・マーケットプレイス(プログラマティックバイイング)に対して、広告代理店や出稿企業が最も危惧しているのはその信頼性(虚偽行為がないか)や透明性の問題です。
上記はeMarketer掲載のチャートで、北米とヨーロッパで259名に対して行った調査結果ですが
- 詐欺行為(不正行為):58%
- 掲載面への不安、ブランドを損ねないか:58%
- 広告が見つけやすいところにでるか?:56%
※違うかもしれません - 誤った買い手をターゲットにしてしまって無駄が出ないか:46%
という意見が上位でした。
同様に、2015年5月にStrataによるアメリカの広告代理店へのアンケートによると、プログラムで購入することの一番の懸念における半数が、在庫(inventory)の透明性と品質だと答えています。
なかなか悩ましいところです。
確かに心配にはなるかもしれないが…身を委ねるのが本来では
これは、広告提供者側としてはなかなか痛いところではあると思います。ある意味これは広告出稿の仕組みに身を委ねる行為であるわけですから、結果が出ていればまだしも、出ていない時は特に
「いったい中でどんなことをしてるんだ」「無駄な所に出しているんじゃないか」「何か不正をしているんじゃないか」「不透明すぎて不安だ」などの意見がでてくるでしょう。
とは言え、この商取引のやり方は人間の頭の回転が追いつかないレベルでアルゴリズムによって広告と枠のマッチングを行い、より良い世界を作っていくことにあります。また、見つけられなかったニーズのフロンティアを発見していく仕組みでも有ります。
こういった業界に対して不安をかかえるのは、当然なのでやむを得ないですが、今後はその先にあるものを狙っていかないといけないというのは、マーケティング的には抑えておかなければならない流れです。
もちろんシステムを提供する側はできるだけ透明性や妥当性を担保できるものを出していくべきですし、また、良いマッチングができるようにシステムをブラッシュアップしていかなければなりません。
…
この記事にも
Chango and Rubiconの研究の中の、10人中9人のデジタルマーケターが、2016年の終わりまでに、プログラム化されたデジタル広告の出費を、いくらか増やす(39%)もしくは大いに増やす(51%)つもりだと答えた。
とあります。
プログラマティックバイイングの仕組みを使う側、提供する側が手を組んで良いシステムを作っていくような流れになるといいのです。
また、この辺りについて「まだ自分はいいかな」と遠慮している方は、早めに手を付けることをお勧め致します。これから広告が向かっていく大きな方向がこちらだとすれば、できるだけ早くフォローして、先取りして知識を得ていくことが、重要ですよね。
私も、もっと突っ込んでやってみないとなと思うところです。
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