2011年半ば頃から広がり始めた「インバウンドマーケティング」。
アウトバウンドと対極に位置する、いわゆる待ち構え型の手法です。
これは有効なのでしょうか?
そしてアウトバウンドを食う存在なのでしょうか?
目次
1.インバウンドマーケティングとは?
※今回はひたすらに文章を書いていきます。ノウハウを詰めました。2500文字くらいです。
1.1.インバウンドマーケティングのはじまり
インバウンドマーケティングという言葉自体は、海外の有名マーケティングサービスサイト「HubSpot」とその周りのサイトが中心となって作り出し、流通し始めた言葉です。
SEOmozもHubSpotとつながっているので、よくSEOmoz blogでRand氏がインバウンドマーケティングの話をしていたりします。
では無理やり流行らせた言葉かというと、そうでもなく、実際自然とオンラインマーケティングは、インバウンドの流れになってきています。
上記のように、検索数も上がってきています。 インターネット上の手法の変化に、上手く名前をつけたというのが実際のところかなと思います。
1.2.我々もインバウンドマーケティングを行うべきなのか?
これは「行うべき」です。
インバウンドマーケティングと言うとイメージが掴みづらいかもしれません。
言い換えればこれは、「PUSH型営業からPULL型営業へのシフト」という話とほぼ同じ話なんですね。
今の消費者は、PUSHされることを望んでいません。
なぜなら
- 昔のように、情報源が営業マンやTV・ラジオくらいしかなかった時代とは異なり、様々な参考情報が得られる
- 類似製品がたくさんある
- 物が溢れており、最終的に購買に至るまでのスパンが長くなってきている。
などの背景があるからです。 そのため、
- 顕在的欲求に対しては、競合他社と比較される前提で、自社商品を選んでもらえるように、見込み客フォローをしていく
- 潜在的欲求を引き出して市場と見込み客を創りだしていく
ということが今は必要です。
そして、こういったことを行うということは、つまりはPULL型営業である「インバウンドマーケティング」を行うということなんですね。
したがって、インバウンドマーケは「やる必要がある」と言えます。
2.ではアウトバウンドはもういらないのか?
こういった流れになるとよく質問をいただくのが、
「ならば、もうアウトバウンドは必要ないのか?」
ということです。 具体的には、
- アウトバウンドコール
- Eメール、ダイレクトメール
- 訪問
などは、もう時代遅れなのか?ということ。 その答えは「NO」です。アウトバウンドは必要です。
2.1.なぜアウトバウンドが必要なのか
アウトバウンドが必要な理由は、大きく2つあります。 それは、
- インバウンドマーケティングを行い待ち構えているだけでは、一生そこにたどり着かない人がたくさんいる
- 相手にアクションを起こしてもらう事については、圧倒的にアウトバウンドの方が優れている
ということです。
2.2.待ち構えていてもこない人々の存在など…
インバウンドマーケは、情報を公開して、お客さんに見つけてもらう(Get Found)のを待ち、お客さんの方から手を上げて「欲しいです!」と言ってもらうやり方です。
しかし根本的な問題として
- どこかでまず接点を持たないと、存在すら知ってもらえない
- 意思決定者に接触しづらい
- レイトマジョリティより後ろの人は、代替製品やサービスに興味がない
- 最後の一押しに弱い(不可能ではないですが)
という問題があります。 特に頭が大事です。
SEOやらリスティング広告で集客できればいいですが、競合が強い場合は結構な労力がかかります。
3.アウトバウンドを交えることで、弱点が克服される
ここにアウトバウンドを交えることで、インバウンドはその弱点を克服します。
そして同時に、アウトバウンドベースの営業が今抱えている弱点である「PUSH型のリード育成が受け入れられない」という問題も解決できます。 つまり、
インバウンドとアウトバウンドは両方セットにすべき
なんです。 アウトバウンドで頭とお尻をカバーし、その間の見込み客育成をインバウンドがカバーする。
ざっくりとそういった役割分担をすることがとても大事ですね。
そういう意味では、インバウンドマーケティングの時代というものは、存在しないと私は思います。
アウトバウンドとインバウンドは相互補完の関係であって、対立する存在ではないのですから。
3.1.具体的には?
具体的には、アウトバウンドで
- アウトバウンドコール
- DM、FAXDM
- 見込み客がいそうなメールマガジンに広告出稿
- セミナーの開催(Webinar含む)
- イベントの開催
- あんまりよくないですがリスト買取
- 既存顧客への紹介プログラム
などを行い、まずは存在を知ってもらいます。
そしてその上で、ゴリゴリと押すのではなく、何かの無料フロントエンド商材を使うなどして、定期的にアタッチできる、メールアドレスや住所などを手に入れます。
同時にSEOも可能な範囲で仕掛けます。
そこからはインバウンドマーケティングによる、見込み客育成(リードナーチャリング)の出番ですね。
ホームページを中心とした、メールマガジンの配信やコンテンツ提供で、相手の興味を少しづつ上げていきます。
人は誰しも「知っているところから買いたい」ものです。安心感があるからです。
インバウンドマーケティングの中で、見込み客とのリレーションシップを作っていきます。
従来訪問の繰り返しで作られるものでしたが、今はWEBという営業マンのほうが、相手は受け入れてくれるのです。
4.そして、ある程度育ってきたらこちらからアプローチしてみる
そして、そろそろだなというタイミングで、最後の一押しをするためにアウトバウンドを仕掛けます。
人間は、最後の一歩は誰かに押して欲しいものです。 大概、いいタイミングで最後の一歩に立ち会ったところが、契約を持って行ったりするものですよね。
最後はアウトバウンドで締める。インバウンドで締めるのは結構難しいです。
最後の一歩を踏み出させる、強めのコンテンツを作っていかなければいけないからです。
終わりに
このように、インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングは相互補完していくのがベストです。
決して、アウトバウンドの時代からインバウンドの時代にという話ではないと、私は経験上思います。
お互いの良い所を生かし合って、その上で商売全体を見据えて戦略を立てていくと、うまくいくのです。
ぜひ、どちらにかたよることなく、まっさらな目でプランニングして頂ければと思います(^_^)
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