CNETJAPANの、「グーグル、ウェブアクセス高速化ツール「Web Accelerator」を公開 」等、各所で記事になっている、Google社のWeb Acceleratorです。
一応Google Web Accelerator(GWA)の仕組みとしてポイントとなる事柄は
- ブラウジングの高速化は、Google社のサーバを通すことで実現。
- ただしセキュアなページでは使われない。
- 北米と欧州のサイトをターゲットに現在運用中(なので他ではあまり意味が無いはず)
※詳細はCnetの記事に詳しいので省きます。
※また、本家Googleの詳細ページが詳しいです(当たり前か)
#[詳細ページ]Google Web Accelerator
実際の仕組みはともかく、メカニズムとしてどうやって高速化するかということがひとまずの注目点です。
Googleがブラウザのレンダリングを最適化するパッチを提供するとかではなく、Google社のサーバ側の処理の結果ですので、その処理の部分が気になるところですよね。
それについては、さっきの公式のGoogleの詳細ページによると以下のようになっています。
- 頻繁にアクセスされるページはGoogleのサーバにキャッシュ
- 出来るだけ差分のみダウンロード
- リクエスト内容を分析し、先回りして裏で読み込んでおく
- インターネット接続の設定を、よりよく再設定する
- やり取りするデータを圧縮する。
みたいな感じのようです。
手法自体に特に目新しいものは無さげですね。
Googleのブランドイメージや、これまでのWeb全体の分析結果を抱えている、ということが強みでしょうか。
この巨大なプロキシサーバ的なもの(?)に対して、やはり人々からは異議を唱える声が多いようです。
海外のフォーラムでは例えばWebmasterWorld.comのGoogle Windows Web Acceleratorスレッドや、Thread Watchの「Google Web Accelerator」などでしょうか。
そういった「人々がどこにどういう経路で行って、どんな感じでうろついている」というデータは、みなのどから手が出るほど欲しがるものです。
Google社も、そのデータを何らかの形で得たいが為に、こういったツールを資金を投資して開発し、無償で提供しているわけですし、役立てようとすることは確実、というか当前のことです。
それ自体は特に問題でもないでしょう。(もちろん、横流しなどしなければですが)
また、こういった情報は、通常なら設備投資などをしてプロバイダ業務を始めないと得られないようなデータですからなおさらです。
お金を出して買ってこれるものではないです。
それを、下手をすればどのプロバイダよりも手に入れることが出来るかもしれないのですから、GWAはとても期待された企画と言えます。
Web Acceleratorへの反応としては
一般の反応としては、やはり各個人のデータが、履歴はもちろんパスワードなども流れてかねない(セキュアでなければ流れていってしまう)こと、そしてそれがGoogle一社集中することへの危機感があるようです。
同様のデータjは各プロバイダがすでに得ているので、Google一社が一手に手に入れるというところにツボがあるということでしょう。
スレッドでもそういった内容の書き込みがかなり多い印象を受けました。
確かに、気持ちのいいことではありえませんし、何よりWWWには、基本的に「何をしているかは外から知られるべきではない」という考え方が浸透しています。
反発は必至かと。
ちなみに、自分はというと…私の危機感が薄いだけかもしれませんが、どうも、「世界中のこういったデータを集めたら何か興味深いものが浮かび上がってくるんじゃないかな」とか、「これによってもっと面白い検索の仕方が生まれるんじゃないかな」とか、そういう気持ちの方が、高まっていたりします。
自分のサイトの履歴とかうんぬんが知られるくらいなら、別にどうってことないような。
どうせプロバイダはみんな知ろうと思えば知ることができるわけですし。
ネット=匿名であるべきとも思わないです。 面白いものが出来るなら、自分のサーフィン経路くらいくれてやる的な気持ちです。
おかしな言い方ですが、これに引き寄せられてたくさんデータが集まれば、Googleが面白いもの出してくれるんじゃないかという期待もあります。
もちろんパスワードとかはダメですよ…恥ずかしいフレーズもあるから(‘A`)
例えばGoogle Web Acceleratorのスレッドの7番の
- The content of each webpage (text, images, video, anything really)
- The number of pages that link to a page in question
- The words that people use to link to a page
- The sites that people click on after searching for a term
なんていうのとか。面白そうだなぁと。この辺りの温度差が何に起因しているのかが気になるところです。
technoratiで検索して出てきたブログを読んでいても、「GWAを(何がどうかは分からないけど、何となくあんまり良い気分がしないので)使わないよ」という感じの人が多い気もしますのでなおさら。
#Technorati: Search for web accelerator ひとまず、前回のAutoLink問題なんかと絡みで動向を見ていきたいです。
Web Accelerator関連メモ
後は気になったことのメモをしておきます。
[1]Googleが立てたアクセラレータ用の(透過型プロキシ)サーバのIPが72.14.192.0 – 72.14.192.255 なので、それを.htaccessで弾いてしまう方法。
[2]404が変わるみたいです。
詳細は» Web Accelerator Changes Your 404 Page InsideGoogle – part of the Blog News Channelへ。
「Please edit the URL , or search fot it using Google」っとなるらしい。
[3]インストールされるdllとかの情報 SlashdotからGoogle Web Acceleratorから引用
The firefox files are: GoogleWebAccFirefox.dll (GUI controls, event forwarder) GoogleWebAccFirefox.jar (look and feel elements) GoogleWebAccFirefox.xpt (Event monitor) The IE files are: GoogleWebAccToolbar.dll The controllers are: GoogleWebAccClient.exe (Receives events, controls proxy to google) GoogleWebAccWarden.exe (Manages cache and search)
※他のOperaなどのブラウザでも、ローカルにプロキシを立てて、127.0.0.1:9100 をプロキシにするように、ブラウザ側で設定すれば使えるといううわさも。
[4]社内用などでプロキシを使っている場合、問題がおこることもあるらしい。
[5]遅くなってしまう例もあるみたいです。
#例:Google Webページ高速化ツール Web Accelerator?
で、やっぱりダウンロードして使ってみました。結果は、やっぱり効果なし、しかも遅くなります。ではなぜ遅くなってしまうのでしょうか?ブラウザーツールの表示ではたしかに数秒単位で高速化されたと表示(時間)されていますが、体感&目視では確実に遅くなっています。
[05/05/12追記] 現在、グーグルのWeb Accelerator、プライバシーやセキュリティの問題続出 – CNET Japanなどもあってか、公開停止されています。
Web Applicationに悪影響という話もありますね。
そういえばMozilla系やOperaの先読みは、どういう風に問題を回避してるんだろう。
#関連記事:グーグル、Web Acceleratorの提供を中止 – CNET Japan
#Mozillaの場合はprefetch属性があるものしか先読みしない模様。あんまり意味無かったのか…
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