Googleが目指す検索エンジンの姿、それは単純な情報検索ではなくArfitical IntelligenceすなわちAI(人工知能)であると、同社の検索エンジン最高責任者が答えました。すると、我々はそれに対してどう対応すべきなのでしょうか。
#目次
1.Googleの検索エンジンが大きく変わる?
1.1.Google+で、記事の中に出てくる最高責任者が投稿をした
1.2.Googleがほんとうに伝えたかったことは?
2.では、セマンティック検索とは何なのか?どう変わるのか
2.1.今までどう違う?
2.2.SiriのようなAIを目指している?
2.3.実際にセマンティック検索が組み込まれた例
3.ではどうしたらいいのか?
3.1.コンテンツ戦略、コンテンツマーケティングの重要性
3.2.分かりづらいし実際の効果はまだ出ないが…
終わりに
1.Googleの検索エンジンが大きく変わる?
昨日、WallStreetJournalの記事が検索エンジン界隈を騒がせました。 「グーグル、検索システムを改良へ 市場シェアの維持目指し過去最大の変更か – WSJ日本版」という記事です。
米インターネット検索大手のグーグルはウェブ検索方式を改良する。グーグルは現行技術の欠点の改善に努めるとともに、優勢な市場シェアの維持を目指している。今後数カ月間で、グーグルの検索エンジンは青色のウェブリンク一覧を羅列するだけではなくなる。検索結果表示ページの最上部に、さらに多くの事実や質問への直接的な回答を表示するようになる。(WSJ同記事)
これが、Googleが隠し玉として恐ろしい変更を考えているのではないかと、話題になっています。 とは言え、Tech紙ではないので、痒い所に手が届かない内容ではありました。
1.1.Google+で、記事の中に出てくる最高責任者が投稿をした
ウォール・ストリート・ジャーナルの記事内でインタビューを受けている、つまりは情報の発信源であるGoogleの検索関連の最高責任者「アミット・シンガル氏」。
氏がGoogle+にてこのニュースに関する投稿をしていました。
これを読むと、今後のGoogleが目指す方向性が分かります。 そして、WSJが若干話を大きくしすぎているのかなとも思いました。
1.2.Googleがほんとうに伝えたかったことは?
そこで、それを読み下した上でのGoogleの真意についての記事をITmediaに書きましたので、この辺りに関しては、詳細は「当該の記事」を見て頂ければと思います。 若干抜粋すると
- 2010年にFreeBase社を買収して得たナレッジグラフの技術で、検索エンジンの使いやすさをもっと高めようとしている。
- その一環として、記事にあったような、セマンティックなことをやっていく
- すぐに何かというわけではなく、徐々にアップデートしていく
- Googleは生のデータ(地政学的なデータ、人口データ…などのいわゆるデータ)を、加工して、ユーザに提供できる形にして溜めてきた。それを、FreeBase社の技術を使って、うまくみなさんに提供していきたい
- そしてこれはGoogleが描いている未来のただの一歩に過ぎない
といった内容です。 WSJの記事だと、急に変わるような印象がありますが、Googleがこれから検索エンジンを発達させていく中で、新しくセマンティック検索の要素を取り入れていくよ、という内容のようです。
2.では、セマンティック検索とは何なのか?どう変わるのか
とすると、次に気になるのは一体どう変わるかです。 セマンティック検索とは、セマンティックウェブという文脈で昔から語られてきたものですが、ある情報についてその「意味付けを行ない」「情報と情報の関係性を作る」ことで、よりニーズにあった情報をだそう、という検索システムです。
2.1.今までどう違う?
今のワードベースの検索というのは、あくまでそのキーワードについて、関連した検索結果を、できるだけ価値あるものから順番に出していくというものでした。
そしてその「価値ある」の価値、を出すために、SEOなどのさまざまな策が打たれていました。
シンプルに言えば、タイトルタグにキーワードを入れておけば、そのキーワードでの表示は、順位はともかく可能でした。
しかし、セマンティック検索においては、1つのキーワードというものにとらわれず、検索ユーザの入力したキーワードをベースに、その意味を解釈して、その上で必要であろうという情報を返してきます。
例えば「おすすめのランチ」と検索したら、おすすめのランチサイトが出るのではなく、具体的なレシピかお店一覧がでるようになる、というイメージです。
2.2.SiriのようなAIを目指している?
I believe we are laying the foundation for how robotics would incorporate language into the future of robot-human interaction, (私は、ロボット工学が未来の人間とロボットの対話の中にどのように言語を組み込んでいくか、我々はその基礎を作っていると信じている)
と述べています。
また、「Singhal does admit that it is his dream to build the Star Trek computer(シンガル氏は、スタートレックのコンピュータを作るのが夢)」という文章が記事にはあります。
セマンティックになればなるほどAIに近づいていくというのはセマンティックWEBの時代から言われています。
Googleは検索エンジンを、さながらAppleのiPhoneに入っているSiriのように、人工知能を持ったようなものにしたいのではないかと、Mashableのインタビュー記事でも述べられています。
2.3.実際にセマンティック検索が組み込まれた例 (実はもうGoogle.comではアルゴリズムへの組み込みが始まってます)
実はこのセマンティック検索、その一部はすでにアルゴリズムに組み込まれていると、Mashableというサイトでアミット氏がインタビューに答えて述べています。 そして実際、そうなっています。
この動画は、Google.comで「Monet(モネ)」を検索したところです。
検索すると、一番下に「Artwork Searches for Claude Monet」と出てきます。
そしてクリックするとその詳細に飛びます。 これが何を示しているかというと、「Monet」は「絵を描く人であり」「その絵自体を見たい人が多い」そして「実際にこのような絵が書かれている」という関係性が出来上がっているということです。
これは、Googleが公式にサンプルとして出しているものです。 まだ、あまり目立たないものですが、こうやってアルゴリズムがセマンティックになっていくことが、これから予想されます。
3.ではどうしたらいいのか?
では、今後はどのように戦略を立てていけばいいのでしょうか。
SEOはどうあるべきかというと、既定路線ですが「価値のあるコンテンツを、情報アーキテクチャがしっかりした形で供給していく」「闇雲に作ったサイトは、中長期的には資産とならない」ということを再確認すべきかと思います。
「SEO≒コンテンツ戦略」と考えても、もう差し支えないかもしれません。
その上で、まずは「サイト単位で、情報構造をはっきりさせる」ことが最も大切だと思われます。
「サイトテーマ」が重要になります。「1サイト1テーマの原則」です。 具体的には
- 情報のカテゴリー分けを精緻に行う
- それぞれに記事について、関連する記事とリンクを張り、情報構造を示す
- 関係のないコンテンツは別のサイトに分離する
- コンテンツそのものも、1つ1つテーマを持たせるように心がける
といった、テクニックよりは愚直な作業、そしてポリシーが必要です。
3.1.コンテンツ戦略、コンテンツマーケティングの重要性
すると「コンテンツ戦略」「コンテンツをしっかり作れる力」が必要になります。
また、サイトを、情報アーキテクチャもきちんと構築して維持し、そして運用していくことが大事です。
- コンテンツマーケティング(コンテンツ戦略、コンテンツ最適化)
- 情報アーキテクチャ
が、検索エンジンに対しては最も重要です。 そしてユーザに対しては、それをユーザフレンドリーにするための、ビジュアライズ(画像にするという意味ではなく)が大事になります。平たく言えば分かりやすさです。
したがって、今の段階ではまず、Googleの様子を見ながらコンテンツ戦略や情報アーキテクチャについてのノウハウを溜めていくことが大事です。
3.2.分かりづらいし実際の効果はまだ出ないが…
しかしこういった取り組みは、なかなか直接的に商売に結びつきづらいので、やりづらいと思います。
なのでまずは、ビジネス的に受け入れられる計画の中に、取り込んでいくのがいいかなと思います。
例えば「導線設計」を課題として、指標として「離脱率」「平均ページビュー」「平均滞在時間」などを指標とし、コンバージョンレートの改善という目標を立てるなど。 そしてその中で、自社サイトの情報構造を見なおし、ユーザ目線で「どういう構造にしたら分かりやすくなるか?」を考えて、CRの改善策として実施していくのが、いいのです。
終わりに
Googleは人間に近づこうとしているのですから、人間が「良い」と思ったものは、いずれはGoogleも「良い」と判断するようになるはず。
なので今はユーザ中心設計をしていくのが、Googleの変化に対応するベストプラクティスです。 長くなりましたが、ご参考になれば幸いです。
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