
Googleの著者情報(Authorship)、これを設定することで、どんな効果があるのかは気になるところです。
気になる点としては、基本的にはこの2種類ではないかと思います。
- Googleでの検索順位に影響するのか
- 検索結果からのクリック率(CTR)に影響するのか
今回の記事では、この2つについてどうすべきかを書いてきたいと思います。
結論から言ってしまえば、「検索順位には影響しないが、ハミングバード(Hummingbird)時代を見据えると、可能な限り適切なものを設定すべき」です。
未だに著者情報は個人でしか設定できない、企業としては設定できないなどの悩ましい部分はありますが、可能な限り設定すべきです(※ただ、本来誰の著作物とも言えないもの、例えば製品情報などについては、オリジナル性が高くない限り、著者情報は設定すべきではありません)
では、それはなぜか、そしてどうすべきなんでしょうか。
目次
1.検索結果からのクリック率は、確実に上昇する
検索結果からのCTRについては確実に上昇します。
例外として、前回の著者情報を設定したことでクリック率が下がったという事例は有ります。しかし、お客さんの気持ちになって設定すれば、クリック率が上がることは確実です。
詳細は先ほどの前回の記事を、この記事を読んだ後すぐ、ご覧ください。
要点としては
- 顔写真があることで「誘目性」は大きく上がる
- 顔写真は「それがなにか分かるか(明視性)」に気をつかう
- 想起と共感プロセスを意識し「相手が求める姿の写真を使う」
ことが重要です。
なぜなら、ここを大きく外すとCTRが下落する可能性があるからです。
例えば以下は前回の記事の一部抜粋です。
2つの例があります
- 有機野菜の宅配販売をやっていた。今までは畑で作業している時の写真だったが、あまりきれいではないし、もっときっちりとした印象を与えたくて、スーツの写真にした。
- 会計士をしている。もっと親しみやすいイメージを与えたくて、自宅のリビングで家族と一緒に撮った私服の写真を切り抜いて使った
…
しかし、どっちも急速に検索からのCTRが下降しました。
▶Googleの著者情報でむしろクリック率が悪化した?人間心理と色彩理論から考えるポイント – WEB戦略ラウンドナップ
2.Googleの検索順位に影響するか
問題は検索順位へのです。未だに諸説紛々としています。順位に影響するか、Googleは明言していません。
それ以外の情報としては
- PageRankとは独立した「AuthorRank」というものがあるのでは?という噂はずっと残っている
- 「著者情報を出すと順位が上がる」という記事も時々見かけます(海外も国内も)
- しかし、Moz(SEOmoz)が発表した、Googleの上位表示要因リストにおいては、AuthorShip設定の有無は順位に影響しないという結果になっている
といったものがあります。
…
この辺りについて、Google周りでもたくさん記事を書かれていたり、Google+でも発言されている「AJ KOHN氏」が記事を書かれていました。この内容が洞察に富んでいると感じまして、ご紹介します。
▶Authorship Is Dead, Long Live Authorship :
http://www.blindfiveyearold.com/authorship-is-dead-long-live-authorship
この記事の内容を端的にまとめると
「Authorshipはナレッジグラフのエンティティとして取り込まれた。もはや特別な存在ではない。検索順位自体にも直接影響する要因ではないだろう」
ということです。従って、AuthorRankといったものは独立して存在はしないだろうということです。価値の高い記事を書く人は周りから言及されるし、閲覧もされるし、リンクも集まる。結果としてそう見えることはあるだろうが、と述べられています。
なぜ、そのように判断できるのか?
このようになった背景として、氏は
- もともとはAuthorRank的なもので、補強をしようとしていたのだろう
- しかし「すべての人が著者情報を設定してくれそうにもなかった。その状態でランキング要因に追加してしまったら不平等だ」と考えたのだろう
- 2011年6月にAuthorshipマークアップが発表された時(→公式ブログ)は、GoogleのAuthorship Projectに携わっていた「Othar Hansson」氏だったが、その後2011年8月にはMattCutts氏が動画でオーサーシップを語っている。ここが転機だったのでは
といったことを書かれています。
順位に影響しないというMozの結果などから考えると、これは妥当な推測なのではと、私も思います。
3.では、これからどうすればいいのか?
では、この状況でどうするのがよいのか。
大前提として「Google+は人のエンティティのプラットフォームになる」と考えるべきです。
つまり大事なのは、いかに自分のことを正しくGoogleに伝え、エンティティとして格納してもらうかどうかです。
具体的には
- Google+のプロフィールに、適切に情報を設定する。
- 運用しているサイトや媒体があれば関連付けをする(いわゆるAuthorshipの設定)
- サイト側でも構造化データを設定して、サイトの内容をGoogleにできるだけ正しく伝えるようにする
これは、直近で大きな変化を起こすものではないと思います。しかし、Hummingbirdの世界になり、Googleは情報を「表面的なキーワード」で判断するのではなく「その裏にある意味も含めた情報」として判断するようになる。そのことを考えると「重要」です。
なぜなら、自分のサイトあるいは自分自身について、Googleに正しく情報を伝えてあげることが大事になるからです。
どんなに頑張ってサイトを作っても、その意味やトピックスが正しくGoogleに伝わらなければ、適切な検索キーワードで表示されなくなるかもしれません。
そうなってしまったら、切ないですよね。
…
今後は、サイトの設計の際にも構造化データをどう入れるか、その設計と導入は必須と考えるべきです。
3年後5年後の未来に、大きな変化となって現れるのではと、思います。
喫緊で行いたいこと
まず、Google+でプロフィールを設定していない人は、Google+を使う使わないにかかわらず設定することをオススメします。サイトに紐付けていない場合は、可能な範囲で紐付けを。また、サイトは構造化データの設定、Schema.orgの埋め込み。
もしWordPressならプラグインで一発かもしれません。そうでなくても、検索すると、参考サイトはたくさん出てきます。
…
所々、複雑になっています。
SEOは、無くなりません。むしろHummingbird時代でより重要性を増したと考えるべきです。
検索エンジンという人間とは異なる存在に、情報を適切に効率よく正しく伝える(最適化)この作業が無くなることはありえません。どんなマーケティングの時代になったとしても、検索エンジンがある以上、コミュニケーションを効率良く行うための最適化は必須です。
これからも引き続きアンテナを張っていって頂ければと思います。
この記事がご参考になれば幸いです。
Photo by Cat’n the Hat
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