みなさんは「情報を探す・得ようとする」時に、どんな手段を使うでしょうか。昔からある検索エンジン以外にも、いまやソーシャルメディアやキュレーションサイトなど様々な情報収集の手段はあります。
いったい人々がどんなところから情報を得ているか、ということは特にマーケティングにおいては大切な情報です。
これに関して、米国のPR Newswire社が昨年11月に調査した結果が同社のホームページで公開されていました。
この調査は、2012年の10月3〜5日に2,512人の18歳以上の成人に対して米国で行われた調査です。
これが示唆に富んだ内容かつ、現実を見せてくれる内容だったのでご紹介します。
元記事はこちらです。
▼nRelate Study Reveals Content Recommendations are King — NEW YORK, Nov. 15, 2012 /PRNewswire/
お国柄が結構反映されているものです。なので、純粋にそのまま日本にこの結果を当てはめればよいというものではありません。
ですが、参照する情報としては十分有益です。
気になった部分をピックアップしていきますね。
目次
人は「探索的に・探検的に情報を探すことを好む」
情報の探し方についてですが
- オンラインでコンテンツを読んでいる米国成人男女のうち92%は、週に7時間以上コンテンツを見ることに時間を費やしている
- 1セッションあたり3〜4記事を読むのが平均的(あるサイト内で、ではなく、トータルで)
- 31%が、「コンテンツを発掘する(知らないものを見つけ出す)」ためには検索エンジンを使っていない。
- 48%が、ある記事を読んだ後、記事の下によく表示されている「関連記事」をクリックする
- 51%が、(信頼出来る)企業からのメールなら、その中のリンクをクリックするなど、コンテンツをそこから見る
とあります。
成人男女なので、20歳以上ですね。ざっくりした数値なの数字そのものを評価するのはあまり意味ないかなと思います。トレンドだけ見るのがいいのではと。
「検索エンジンは、コンテンツを探す時の最初の一歩としてはもう使っていない」が31%
結構予想外だったのが「”検索エンジンは、コンテンツを探す時の最初の一歩としてはもう使っていない”、という人が3人に1人は存在する」ということ。
もちろん、対象となるコンテンツは「なんとなくこういうものないかな」「似たような面白いものないかな」といった”ゆるい”ものも含まれているので、そう考えると、ある程度納得はいくのですが
ただやっぱりWEBマーケティングをしていると「探したい情報があれば、Yahoo!やGoogleといった検索エンジンから探すものだろう」というバイアスを抱えてしまいがちだと自分自身を振り返ると思います。
多分検索エンジンで能動的に情報を探す人は、どんどん減っていくのではと。そうすると、潜在客に「見つけて」もらったり、見込み客をフォローしていくプロセスというのは、変わっていきますね。
検索エンジン経由で来る人は「いますぐ客」だけになるかも?
結果として検索エンジン経由で来るのは「今すぐ客」の人ばかりになり、「そのうち客」や「潜在客」には、それ以外の方法でリーチしていくという状況がくるかなと。
他の目的で検索してきた、他の商品の「今すぐ客」にアプローチするといった事も含めて(革の鞄を売るときに、アメリカンバイクといったキーワードに広告を出すように)
このあたりが、きっとこれからの腕の見せ所になるのでしょう。
関連記事は強い
また、もう1つ。「48%が、ある記事を読んだ後、記事の下によく表示されている「関連記事」をクリックする」これはブログや情報メディアを運営していると、あるいは普段良く見ている人だと「そうだろうなぁ」と感じるかと思います。
情報を集める時のコストというものを、どんどんと省エネ化しているのが、今のユーザのトレンドです。探す手間なんていうものに、楽しみは求めない。ただ「速く」「楽に」「良い物が」手に入るのがベスト、だと。
これはネットに限らないですよね。まとめサイトは週刊誌みたいなものだという記事がありましたが、その通りだと思いました。
ネットだから「速く」「楽に」「良い物が」と考えるのではなく、人間本来そういうものだ、ということです。だとするとこのトレンドが反転することは、まず無いと考えて良いのです。
次、どの関連記事を読もうとするかの基準
関連記事として、そのサイトの中の関連記事だけを掲載するパターンではなく、例えばキュレーションサイトなどに有るような、さまざまな関連サイトを表示しているパターン。
これにおいて、いったい人は何を基準に「その中でまずどれを読もうか決めるのか?」という調査結果もあります。
その中でいくつか気になる点をピックアップすると
- 全体の62%は、伝統や権威の有るニュースサイトをまずは見る
- 関連記事として、普通の文字や画像の記事ではなく「動画」を見ようとする人は、少ない
- (記事の内容を表すような)画像とセットになっているものの方を、読みたいと思う
などがあります。どれも「失敗したくない」「時間を無駄にしたくない」といった、リスクを減らす方向の考え方ですね。このことを前提に、様々なナビゲーションをすると、例えば平均ページビューであったり、離脱率が改善するかもしれません。
信頼感を感じる基準
また、どんな要素があると記事に信頼感を感じる?という調査もありました。
そこでピックアップされていたのが4つの要素です。
それは
「オフラインでも知られていること」「画像が入っていること」「記事を書いた人の写真と、紹介が載っていること」「ビデオが使われていること」の4つでした。
GoogleのAuthor設定は、ここから考えるともはや必須です。
ソーシャルメディアの威力はそれほどでもない?
また、ソーシャルメディアですがこれはあまり重視されていないようです。
- 69%の消費者は、ソーシャルメディアで友だちに勧められたコンテンツを重視していない
- Facebook内のリンクはあまりクリックしようと思わない人も多い
- こと、購買行動が絡むものになると、メーカーホームページの情報や、検索エンジンで探した情報源、メインストリームのニュースサイトの情報を重要視し、友だちがソーシャルメディアに投稿した情報は、それほど重要視しない
といった結果だったようです。
お金が絡むということで、「自分で確かめないと」と考えるのは至極当然のことですし、むしろダマされないためにも良いことです。
ただ、売り手側は、買い手はこういう気持ちでソーシャルメディアを使っているんだということは必ずおさえるべきです。
ソーシャルで友達から勧められたら、喜んで買ってくれるわけじゃないんだ、ということは、絶対に勘違いしてはいけない部分ですね。ソーシャルメディアに過剰な期待を持つと誰も幸せになりません。
終わりに
この調査は、2012年の10月3〜5日に2,512人の18歳以上の成人に対して米国で行われた調査です。
▼nRelate Study Reveals Content Recommendations are King — NEW YORK, Nov. 15, 2012 /PRNewswire/
ぜび元記事も御覧ください。
ネットは良くも悪くもリアルの世界にどんどん近づいていると思います。
そしてリアルのマーケットはどんどん縮小して、シェアの取り合いになっています。今大切なのは「相手を理解し」「相手に受け入れられる形で」「相手のほしいものを」提供するということ。それを実現する手段というものを、先入観なしに考えないといけないですね。
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