2012年のWWDCで発表された、iOS6の新機能のうち1つに独自のマップがあります。
今まではGoogleMapをiOSでは地図アプリとしてデフォルトで提供していましたが、それを自社開発のアプリソフトにすげかえるということをiOS6からは行うとのことです。
プレゼンテーションの中では、主にグラフィック面の素晴らしさが強調されていましたが、実際Googleマップと比べるとどの様に違うのでしょうか。
地図のデータ元は日本はインクリメントP社の模様です。MapFanの会社ですね。MapFanレベルの地図があれば地図機能としては問題なさそうです。
ではそれ以外の部分はどうでしょうか。それについての記事がMashableにあったのでご紹介します。
元記事はこちら。
▼Apple vs. Google: Which Maps App Is Best?
プレゼンテーションの映像が公開されています。
Turn-by-Turn(曲がり角を教えてくれる)ナビはあるが、乗換案内はない
iOS6マップの売りとしてTurn-by-Turnのナビゲーションが推されています。
今のGoogleマップよりUI的には分かりやすく優れていると感じました。
ただその反面、乗換案内を絡めたナビゲーションがない模様です。乗換案内は乗換案内アプリを使っている人が多いとはいえ、徒歩+電車のようなルート探しには便利な機能だったため、これは特に都市圏では痛いのです。
しかし、乗換案内のデータは「 GTFS (General Transit Data Feed)という企画でフリーで公開されています。なぜこれを使わなかったのかは疑問です。
Mashableでは、このようになった理由として、GTFSはGoogleが作った企画だから気乗りしなかったのでは?とありますが、さすがにそうではないように思います。実際のリリースまでに何かあるか、別のクリティカルな事情があるのかもしれません。
ただ、実装して欲しいですね。
渋滞情報は両方共あるようです。形式が何かはわかりません。
Siriによる音声コントロールがある
これが大きな部分と言えます。個人的にはここをひたすら洗練させてもらえれば、それだけで相当の価値があると思います。
実際BMWなどを中心に、車への組み込みが進んでいる模様です。
カーナビに向かって喋るのも大変なので、Siri用のマイクをヘッドレストあたりに仕込んでもらって、ハンドルのボタンを押しながら喋ると、カーナビが受け取るみたいな仕組みになると、相当便利なのです。
とは言えGoogleも追いかけてくる部分ですので、Appleとしては技術力の戦いになるかなと思います。
ローカル検索
これまでのマップ、GoogleMapでもマップアプリから近隣の施設などを検索することはできました。
iOS6としては、米国についてはYelpなど他のパートナーの情報を入れて充実をはかって差別化しようとしているようです。
日本ではどこがパートナーになるかがポイントですね。
3Dフライオーバー(鳥瞰図)
これは相当歓声と拍手が集まったところです。先ほどの動画では4:40くらいからがそのパートですがこれは確かに美しいです。
プレゼンテーションではこれがどうナビゲーションに関わってくるかはわかりませんでしたが、今のカーナビのように立体表示されると、既存のカーナビの代替商品になってくるかもしれません。
まとめ
全体としてみてみると、そこまで大きな差があるわけではありません。公共交通機関の乗り換えに対応していない分、機能的には若干劣っているかもしれません。
ただ、マップに求められる機能としては、ある意味飽和しているのかなという印象もあります。画期的な追加機能ってあるのだろうかと思うと、思いつきません。
そうなると、既存技術の品質での戦いになるので、いかにGoogleとAppleがマップの品質やUIなどで勝負をかけるか。その前哨戦としてiOS5ユーザがiOS6に乗り換えるのをためらわないようにマップアプリを洗練させるか、が勝負かなと思います。
Appleが自社でMapを持ったのは、Googleへのなんたらという枠ではなく、別の意図が、実現したいものがあるはずです。
本当に評価すべきはその意図なのかもしれません。
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